手すき和紙製造・販売 紙すきの村〜久保昌太郎和紙工房〜は細川紙はじめ 水墨画 半紙 絵手紙用紙 民芸紙などの和紙を 製造・販売している和紙工房です。


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  コラム3 和紙と環境
 
 近年、「地球環境にやさしい素材」という点から、和紙が脚光を浴びています。今回のコラムではその理由と、和紙の定義の曖昧さ(コラム1・2参照)ゆえの誤解を紹介します。
 
1、和紙は循環する
   和紙が環境にやさしい理由として、自然環境の中で比較的容易に循環 (再利用)できる素材であるということが考えられます。

 ただし、この循環は「伝統的製法」の場合に成立しまするものであって、「近代的製法」の場合には、一部成立しない場合があることを最初に書いておきます。

 では、伝統的製法における和紙の循環について、まずは下図をご覧ください。

 図では、和紙作りにおいて最も多く利用されている原料である、「楮」をモデルにしていますが、木の皮を使う、その他の原料でもこの循環は成立します。
 この循環の一部(再生紙など)は近代の洋紙でも可能ですが、和紙と近代の洋紙(以下洋紙と呼びます)の大きな違いは「薬品」と「熱量」です。
 この違いは伝統的和紙が、「木の皮(靭皮)」を使うのに対し、洋紙は木の芯まで使うことに由来します。

 まず、伝統的和紙の製造に必要な薬品は楮を煮るのに必要な「草木灰」です。
この「草木灰」は時代を経るにしたがって「石灰」、「ソーダ灰」、「苛性ソーダ」と代替品が登場しましたが、「苛性ソーダ」以外のものは薬品としての強度は弱く、畑に撒くことによって、煮た後のアクや楮のカスが肥料として畑に還元される仕組みになっていました。
 また、煮る時も間伐材や和紙製造に不要になる楮の芯を燃料にでき、沸騰後2〜3時間煮るだけで済みます。
 これに対し洋紙は硬い木を煮溶かす必要があるため、「苛性ソーダ」などのより強い薬品を使い、必要な熱量も多くなります。

 次に、再生紙としての和紙の特徴ですが、再生紙として作り直さずに、2次利用をしていた点が挙げられます。現在は少なくなりましたが、かつては墨などがついたままの和紙を襖やだるまの下張りといった見えないところで使っていたようです。これは、和紙が強度に優れ、複数回利用しても耐えられたということです。
 また、伝統的和紙は強度のわりに再生も容易でした。これは洋紙のように、にじみ止め(水が入りにくくなる)などの薬品を添加しないため、水に入れるか、もう一度煮直せば繊維状にしやすいためです。

 このような再生和紙は反古(ほご)紙宿紙(しゅくし)と呼ばれ、古くは平安時代から製造されていました。つまり、伝統的和紙の循環は1000年以上も昔から受け継がれてきたものなのです。
 

2、森林資源と和紙
 

 和紙の原料が成長の早い木であることも、注目されている点の1つです。

 楮は1年間に約2〜3メートル成長しますが、毎年、刈り取った株であっても数年は収穫が可能です。また、楮は根によって次々と新しい芽を出す、非常に生命力の強い植物です。
 三椏、雁皮は楮よりも成長の遅い植物(約2〜3年で収穫)ですが、洋紙原料となる木材に比べれば格段に早く収穫できるといえます。

 日本における楮の生産は九州から東北までの広い範囲で行われていました。気候や風土によって品質に差は出ますが、その差を用途によって使い分ける(造り分ける)ことで問題なく製紙原料として利用できたため、楮は育成場所を選ばずに作ることのできるものとして重宝されました。

 また、現在和紙の原料として多く使われているものに、主にタイ〜ラオス国境付近で収穫される「タイ楮」があります。このタイ楮は2年で3回の収穫が可能で、栽培されたものではなく、自生しているものを刈り取っているようです。
 このほかの海外の産地は中国、韓国、北朝鮮からネパールまで東アジア一帯でも見られます。
 

3、近代的製法と「和紙」がもたらす環境問題?
 

 ここまで、「伝統的製法の和紙が環境にやさしい」と言われる理由を紹介しましたが、現実にはすべての和紙が伝統的製法に基づくものではないことはコラム1、2でも触れました。
 つまり、すべての和紙が環境にやさしいというわけでもないのです。

 例えば、原料ですが、現在は洋紙と同じ木材を原料とする和紙もありますし、様々な用途に応じて化学薬品を使う和紙も多くあります。

 また、現在では和紙の循環はほぼ見られません。この背景には、和紙の需要の減少により反故紙や宿紙を漉くだけの再生原料が無くなったことや、再生紙よりも安価な紙が多く流通してるためだと考えられます。

 最も問題となるのは、現在の「和紙」は海外への依存率が非常に高いことです。
 まず国内で生産される和紙の原料の多くは機械製紙、手漉き問わずにタイ楮です。さらに木材パルプ原料もほぼ海外からの輸入です。これらの輸送には当然のことながら大型船や航空機の利用が伴うだけでなく、輸入元の森林資源を日本が消費してしまうという問題も出てきます。
 また、近年では楮の生産地に近い東南アジアでの和紙作りも盛んになってきました。しかし、排水規制や薬品の取り扱いが不十分である国もあるようで、河川の汚濁も問題になる事案も出ているようです。この河川汚濁に関しては、日本の製紙業が川の流れが急な水量の多い地域で、しかも日本全国に分散して発達したため、川の自浄作用が汚濁の起こらない範囲で働いたのに対し、汚濁が起こるような海外工場では、一工場の生産量に加え、水の流れが緩やかなことによる排水の停滞が考えられます。

 「和紙が環境にやさしい」といわれる昨今ですが、このような点を踏まえずにいわゆる「和紙」の需要が急激に伸びることは必ずしも環境によい影響を与えるとは言えません。特に伝統的製法での和紙作りには限界もあり、まかないきれない重要は機械や海外に依存していきます。
 この点を踏まえ、本当に環境にやさしい和紙を選ぶには原料、産地、製法等をよく確認し、本当に必要なものを選ぶだと思います。
 

 

 

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