紙すきの村では創業から現在に至るまで、「手すき」であることにこだわった和紙作りを行ってまいりました。そして、製造する和紙はどの時代においても「売るためのもの」として扱っていました。当工房では「素材として利用してもらえる和紙、つまり製品としての和紙を製造し続ける」ことが、和紙本来の伝統を保持することと考えています。
和紙作りの技法そのものは、過去の文献を元に再現出来るでしょうし、公共事業などの後継者育成プログラムなどによっても守ることが出来ます。しかし、和紙本来の伝統を守るためには、和紙の利用者による検証が重要となるものと思います。つまり、古くから継続的に和紙を使用してきた利用者が感じる「製造した和紙の出来不出来や過去の和紙との比較」こそ、私たちの作っている和紙が伝統性を保持しているか否かの検証となるものだと思っています。
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