手すき和紙製造・販売 「紙すきの村」は細川紙はじめ 創作活動の素材としての和紙を 製造・販売しています。


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  調査・取材の受入について

■お受けできる取材

 ・製造工程にかかわるもの

 ・製品にかかわるもの

 ・観光、体験にかかわるもの

■お受けできない取材

 ・細川紙、重要無形文化財、ユネスコ無形文化遺産関連の取材・調査
  詳細は 細川紙の取り扱いについて をご覧ください。

 ・文化財や歴史に関する事柄を中心にした調査取材

 ・当方以外の製品に使用されるイメージカットなどの撮影

 ・その他当方でお答え出来ない事柄に関する調査取材

■取材・調査にあたっての注意事項

 ・製品としての和紙を作っていますので、作業に支障が無いようご協力ください。

 ・原料や製法について、正しくお伝えください。

 ・他産地や他の生産者との根拠のない比較評価は控えてください。

 ・取材当日に紙すきを含め、ご希望の作業を行っていない場合があります。

■取材・調査にあたっての費用

 ・製品や観光にかかわる取材は無償にてお受けします。

 ・その他の取材・調査については15,000円/日の1日体験をお申込みいただくか、同程度の休業補償料金を頂きます。

 

メディアにおける和紙の取り扱いに関するガイドライン

  和紙:日本の手漉き和紙技術」がユネスコに無形文化遺産に登録されて以降、各種メディアにおいて日本の伝統産業として和紙が取り上げられる機会が多くなりました。この指定以前から、和紙を伝統産業あるいは文化として扱われることが多かった現象は、さらに強調されるようになりました。

 一方で、現在流通する和紙の中にはこれら伝統的な製法ではないもの含まれていることも事実です。これらの和紙は、用途や価格といった需要の中で必要とされる選択肢の一つであって、和紙生産者・販売者としては一概に否定されるべきものではないと考えています。とは言え、伝統的製法とは言い難い製品を伝統の文脈で語られることは和紙利用者にとって不都合が生じるケースもあり、好ましい物ではありません。

 そこでメディアにおける和紙の取り上げ方について、以下4つの項目で現状、問題点、確認事項のガイドラインを定め、和紙利用者、さらには視聴者にとって有意義な情報発信のための参考としていただきたく思います。

 なお、本ガイドラインでは便宜上「和紙」という表現を伝統的な製法でないものに対しても用いますが、これを和紙と呼ぶべきでないという議論もあることはご承知おきください。

 

■製法

【現状】

1、伝統的製法としての手漉き和紙の製造工程として「原料を繊維状にする」、「繊維をネリを加えた水と混ぜる」、「桁に簀(竹または萱を編んだもの)を挟み、水をすくい上げて濾し、薄いシート状にする」、「濡れたシートを積み上げて搾る」、「一枚ずつ乾かす」、と言う一連の作業からなる(一部例外あり)。

2、この工程を機械化したものに半流動式や機械抄きなどがある。

3、作られる製品としては創作活動、工芸、修復、建材などの「素材となる紙」と、一枚ないし一連の紙で「作品となる紙」がある。

【問題点】

 ・伝統的な製法である手漉きの秀逸さを強調するために、強度や保存性、素材としての質感、使用感が機械抄きと比べ優れているように取り上げることがあるが、これらの特性は原料とその処理方法に由来するところも多く一概に比較できない。

 ・「作品となる紙」については、一度紙にしてから作る物や伝統的な製法を踏襲しているものから、独自の製法と呼ぶほうがふさわしいものまで多岐にわたる。

【取り上げる際の確認事項】

 ・製法に機械化、簡略化している工程が含まれる場合、「○○時代から続く製法」と語ることができるか、伝統として許容されているのか。

・手漉き和紙と機械抄き和紙の比較は原料やその処理などの条件が同じであるか。

 ・美術作品としての創作和紙の取り扱いについては、和紙の製法をどの程度踏襲しているか、そもそも紙であるのか。

 

■原料

【現状】

1、和紙の3大原料として取り上げられることの多い3種に楮、三椏、雁皮がある。

2、いずれも国産品と輸入品が存在する。

3、楮には劣るが比較的強い紙を作ることができるマニラ麻や一般的には洋紙の原料として取り上げられる木材パルプも和紙の原料として使用することが多い。

 4、利用分野ごとに好まれる原料として日本画の大麻(おおあさ)、書画系の藁や竹がある。

【問題点】

 ・使用する原料やその処理方法によって、保存、使用環境で長期保存性に問題が生じる。

・外国産の原料や木材パルプなど、歴史の浅い原料や処理方法で作られる紙、出来上がった紙の性質を改善、変化させる添加物などを使用した紙は、いわゆる伝統製法のものと異なる性質、風合いである。

【取り上げる際の確認事項】

 ・使用されている原料やその処理方法が伝統的製法と語ることができるか、許容される範囲内なのか。

 ・紹介する紙の性質と、使用している原料や処理方法、薬品の添加など製法が矛盾しないか。

 ・特に「1000年以上持つ紙」と言う表現を使うにあたっては、原料、原料処理、添加物の有無、すべての項目において条件が整うことが必須であり、かつ保存環境によっては「今、作られた紙が1000年後に残る」ことを意味しないことを念頭に置く。

 

■産地

【現状】

 1、日本各地に和紙の産地は点在しており、昔から作られてきた産地の代表銘柄(用途に合わせた品目)と情報網と流通が発達した近代以降に生産が始まった製品の2種が作られている。

 ・昔から作られてきた銘柄など:産地間での和紙の違いは、使用されてきた原料、桁の揺すり方とそれに伴う繊維の流れ、生産性と品質と価格などに現れていた。

 ・新たな生産品目など:産地間の交流や、産地をまたいだ取引を行う問屋の出現により、各産地でその時売れている製品を作り始めた結果、各産地で似たような製品を作るようになった。

2、かつては各産地で各々原料を調達していたが、供給元が四国、茨城などへの集約、輸入原料や木材パルプの導入が進み、原料による産地特性は薄れている。

3、和紙との多様なかかわり方により、同一産地内であっても各工房、各個人の技術や製造志向が反映されるようになっている。

4、タイ、中国など海外製の和紙も多く流通しており、海外に自社工場を持つ和紙生産者、海外へ生産委託している和紙生産者なども存在する。これらの製品は大規模都市圏にある専門店、全国の量販店や観光地で販売されているだけでなく、和紙産地の店舗においても販売されているケースがある。

【問題点】

 ・紙の特性は原料に、生産性や丁寧さは工房や個人に由来するところも多く、製品を産地で単純比較することは出来ないが、産地間の比較をして優劣をつけること、特にユネスコの無形文化遺産登録や文化財、伝産指定を根拠にして産地や製品の優位性を語ることが見られる。

 ・海外製和紙は、外国産原料を使用した国産和紙と原料、製法が共通していることも多く、製品だけでは判別が難しい。

【取り上げる際確認事項】

 ・産地の現状を産地内外からできるだけ多面的に調査し、取り上げる内容が工房や個人のことなのか、産地の共通認識なのかを分け、他産地間の比較を行う場合は慎重に行う。

 ・工房や製品を伝統や文化といった文脈で取り上げる場合、製造を海外に委託しているかどうか注意をはらう。ただし、海外製和紙を必要とする場面や利用者も少なからず存在するため、偽装行為を行っていない限り、国内製と海外製が善悪の構図に陥らないようにする。

 

■経歴・歴史

【現状】

 1、各産地の歴史はで文献からの推測や口伝による起源、時代ごとの出来事が発信されているほか、取引記録や組合等の議事録、報告書から事実関係を知ることが出来る。

 2、各工房の歴史については、他工房の証言や文献等にみられる史実と矛盾する場合もある。

 3、個人の経歴については、志すきっかけや、技術習得の経緯、製品、受賞歴や資格などがよく取り上げられている。

【問題点】

 ・解釈の揺らぎがある場合や独自の解釈によって、歴史をより古く、産地が広域になる場合は発祥地をより自分たちに近くしようとする主張が見られる。

 ・工房の歴史に関しても同様に、(創業時期は難しいとしても)技術の導入や継承活動の歴史を古く見積り、珍しい技法や製品の発祥を自分たちと主張している場合がある。ただし、これは必ずしも偽称の類ではなく、記録や記憶のあいまいさから来るものであったり、他産地や他工房の事情を知らないだけであったりすることもある。

 ・個人の経歴での伝統技術習得の経緯ついて、組合等などが主催する一人対複数の研修事業など、経歴に技術継承者として載せられるに足りる内容と時間だったのか、教える側が弟子と認識した師弟関係なのかなど、教え手、受け手に意識に差がある場合がある。

 ・独自製品の開発や旧来製法の再現について、他者がすでに行っていたことを知らないだけで自身が初と語っている場合がある。

 ・工房、個人に共通する問題として、著名な利用者や現場で自身の製品が使われたという主張に関して、サンプルとして提供しただけのであったり、試してみたが使用感が合わなかったり、そこでは不適格と判断されて実際には使われたりしているケースがある。

【取り上げる際の確認事項】

 ・歴史については、原典の有無や研究者などの公式見解なのか、個人の解釈なのか。

 ・工房の歴史、個人の経歴に関しても同様で、特に「最古」、「初」、「唯一」、「一番」などの表現は取材当事者以外の証言や証拠があるか。

 ・個人の経歴における伝統技術習得方法や習熟度、技術継承の正統性を取り上げる場合は、教える側の見解や教え方、内容も参考にする。ただし、お互いの師弟関係の意思が確固たるものであれば、他者の評価やその時点での技術の有無や優劣から関係性や正統性を否定する必要はない。

 

 
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